ユニコーンのデビュー時に宣伝として参加したスタッフが当時を語る。
“民生のボーダーTシャツは、もともと僕の私物を着たのが始まりだった!”
あの時期のユニコーンをポップでストリート感のある宣伝マンが語る。

■EPISODE.002 「ユニコーンはロック?ポップス?」

ユニコーンのデビュー当時はバンドといえばやはりBOOWYがすごく売れていて、各レコード会社は“ポストBOOWY”をどう作るか、売り出すかってムードに包まれて躍起になっていたんですよ。
J-POP業界でロックバンドで、女の子受けして、新人デビューっていえばまずはここ狙いますよってカンジですね。・・・でデビュー曲の『ヒステリーミステリー』のビデオクリップを観て見ましょう!確かにそんな売り出し事情を匂わせる仕上がりになってますねー(笑)。これはこれでカッコいいんだけど、しかしあまりにもそのテのバンドが多かったので、むしろ違う個性をだして唯一無二な存在にしたほうがいいだろうということで、その後はポップでややストリート感のあるビジュアルに変化していきました。そしてユニコーンの音楽性も既成の枠を超え、どんどんその幅は広がっていくのでした。

当時は音楽雑誌花盛りで、いわゆるバンドブームが盛り上がりだした頃。“パチパチ”や“B-PASS”といった音楽誌が情報の中心メディアになっていて、その誌上でUNICORNの人気がグングン出始め、読者アンケートの人気ランキングは上昇、ほぼ毎号すべての紙面を制覇するまでに。しかしそんな中、大半の読者ファンは女の子。ライブ会場も女性ファンが激増して女祭り状態。メンバーの内心としては、『人気が出るのは喜ばしいことだけど俺達はロックバンドであってアイドルじゃないよなー』というストレスも同時に湧き上がりつつあったのでした。
しかしロックバンドといいつつもメンバー各々は基本的にみな明るく素直な性格の持ち主なので、“男受けしそうな尖ったナイフのようなキャラ”にはなれるわけも無く、革ジャンにブーツ的ビジュアルになれるわけもなく、ユニコーンはどこまでいってもユニコーンというキャラクターのままJ-POPシーンで大きく育っていくのでした。